伝説の写真家 深瀬昌久×
最愛の妻、最強の被写体 洋子×
哲学的な鴉の化身
ダークでシュールなラブストーリー

【天才写真家の光と闇をワイルド&繊細に 浅野忠信の魅力炸裂!】

ハリウッド製作ドラマ「SHOGUN 将軍」で、ゴールデングローブ賞助演男優賞(テレビドラマ部門)を受賞し、世界が注目する国際派俳優・浅野忠信が伝説の写真家深瀬昌久を演じる最新主演作、仏日西白合作映画『レイブンズ』。
森山大道らとニューヨークMoMA“New Japanese Photography”展(1974)で絶賛を浴びた伝説の写真家深瀬昌久の78年にわたる波瀾万丈の人生を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いた。写真に憑りつかれた天才の狂気と、撮ることでしか愛しかたを知らなかった純粋さを、繊細かつワイルドに演じ浅野忠信の魅力が炸裂する。
深瀬は闇を抱えていた。それは異形の”鴉の化身”として転生し、哲学的な知性で翻弄する。闇堕ちから深瀬を守ろうとする妻洋子―ダークでシュールなラブストーリー。

【実力派の共演者とマーク・ギル監督のセンス】

深瀬の<最愛の妻であり最強の被写体>洋子役に、瀧内公美(『由宇子の天秤』『敵』、大河ドラマ「光る君へ」)。ミューズという古典的役割を軽々と飛び越え、美しく自由な圧倒的存在感で演じた。
さらに、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀ら実力派俳優が脇を固める。
監督、脚本はイギリス・マンチェスター出身、元ミュージシャンのマーク・ギル(『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』)。シティポップ、グループサウンズ(GS)、歌謡曲、フォーク・・・ギル監督の60-70‘昭和レトロな選曲が心に響く。ザ・キュアー、ヴェルヴェットアンダーグラウンドの名曲が、深瀬と妻洋子の破天荒なラブストーリー見事にシンクロ、極上のライブのような疾走感に、撮影フェルナンド・ルイスの映像美学が響きあい、すべてがセンスに溢れている。
本作では深瀬の35㎜フィルム作品が多数登場し、見る者の心を揺さぶり、鷲掴みにする。

深瀬昌久とは?

監督は2015年深瀬昌久の作品に衝撃を受け、9年かけて映画化にこぎつけた。 カラスを執拗に撮り続けた代表作《鴉》(英:《Ravens》)は世界の写真史にその名を刻み、世界的にも高い評価を受け続けている深瀬昌久。
1974年、一躍時代の寵児となるも、たびたび酒に溺れ、1992年転落事故で脳障害を負い20年の闘病の末、2012年亡くなった伝説の鬼才。近年、欧米を中心に再評価が進み、大回顧展「深瀬昌久1961-1991レトロスペクティブ」(東京都写真美術館、2023)では、プライベートを晒しながら、狂気、被写体への愛、ユーモアが混在し唯一無二、“セルフィーの先駆者”でもあるその革新性で若い世代を魅了した。 © 深瀬昌久アーカイブス 「深瀬昌久と洋子、1970年代」

プロフィール

深瀬昌久 (ふかせ・まさひさ)
1934年、北海道中川郡美深町生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。日本デザインセンターや河出書房新社などの勤務を経て、1968年に写真家として独立。1974年、アメリカ・MoMAで開催された歴史的な日本写真の展覧会「New Japanese Photography」への出展を皮切りに、これまで世界各国の展覧会に出展多数。1992年、転落事故で脳障害を負い、20年間の闘病の末、2012年没。享年78。代表作『鴉』は日本写真の金字塔として世界的に高い評価を得ている。2014年に創設された深瀬昌久アーカイブスの働きにより、2024年現在までに世界6都市で8度の回顧展が開催され、11冊の写真集が世に送り出された。2018年、蘭・Foamにて美術館初となる回顧展「Private Scenes」を開催。その開催に合わせて、深瀬が40年間にわたって制作した作品群を編纂した作品集『Masahisa Fukase』(赤々舎より日本語版、Editions Xavier Barralより英語版及び仏語版)が刊行された。

北海道の高校を卒業した深瀬は、父の写真館を継ぐことを拒んで上京する。
彷徨う日々の中で彼は洋子に出会う。洋子は美しく力に満ちていた。洋子が深瀬の写真の主題となり、二人はパーソナルでありながら革新的な作品を作り出していった。家庭らしい家庭を知らずに育った深瀬は、家族愛に憧れていた。洋子の夢を支援するため懸命に働く深瀬だったが、ついに洋子の信頼を裏切り彼女の夢もうちくじいてしまう。
深瀬「写真家にまともな生活はない。俺はカメラを武器のよう に使った。俺が愛する全てのものと全ての人を俺の仕事に 引きずり込んだ」
洋子「そんなものの後ろに隠れてないで…。私を見てよ…カメラ じゃなくて人の眼で見て。」
天賦の才の一方で、心を閉ざし、闇を抱えていた。それは異形の”鴉の化身”として転生し、哲学的な知性で芸術家への道を容赦なく説き、翻弄する。深瀬の最愛の妻であり最強の被写体であった洋子の存在を犠牲にしてもー。闇落ちから深瀬を守ろうとする妻洋子―1950年代の北海道、70年代のNY、1992年東京まで、疾風怒濤のダークでシュールなラブストーリー。

監督・脚本・プロデューサー

マーク・ギル

英国マンチェスター出身。作家、監督、写真家であるマーク・ギルは、グラフィック デザインを学んだ後、18 歳でワーナー ミュージックとのレコーディング契約を結んで芸術活動を開始。後にモナコ(ニュー・オーダーやジョイ・ディビジョンで知られるピーター・フックが1990年代後半に組んでいたユニット)に参加。その後、映像への転向を志す。映画監督として、これまでに米国アカデミー賞および英国アカデミー賞から着眼される功績をあげている。長編デビュー作は、UKロックシーンのアイコン的存在であるスティーブン・モリッシーの青春を描いた『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』。2017年のエジンバラ国際映画祭のクロージング上映を皮切りに世界各国で公開され(日本では2019年)、英国の最も権威ある映画賞のひとつであるマイケル・パウエル映画賞にもノミネートされた。また、短編作品『ミスター・ヴォ―マン』は、第86回米国アカデミー賞短編映画賞及び2012年英国アカデミー賞短編映画賞にノミネートされている。主演は英国を代表する俳優のマーティン・フリーマンとトム・ホランダー。最近では、 AI アーティスト Voltaine と協力して、映画からのバリエーション AI 生成ビデオを作成。

コメント

深瀬のことは2015年にイギリスの新聞で掲載されていた記事で知りました。彼の写真はもちろんですがそれを越えて複雑な深瀬と洋子の愛の物語が私を魅了しました。最初から深瀬役には浅野さんしか頭にありませんでした。プロデューサーたちには彼がキャスティングできなければこの映画はやめると言っていたほどです。ありがたいことに彼は企画を気に入ってくれて早い段階でコミットしてくれました。 洋子役に関しては、特別な女優をキャスティングする必要があるとずっと思っていました。洋子本人と数日間一緒に過ごしてみて、洋子を演じる女優には、深瀬(浅野)の強烈な重力にも拘わらず決して彼の影に隠れない強さが必要になるだろうと感じました。最初に公美を見たのは『火口のふたり』でしたが、スクリーンに映し出される存在感とともに彼女の勇気に感動しました。
日本は私が深く愛する国ですし、いつも温かい歓迎を受けてきました。日本での公開を心の底から楽しみにしています。